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2018年3月24日 
「自動車用インペラの量産技術の開発」で第64回「大河内記念生産賞」を受賞

 第64回(平成29年度)大河内賞において「同時5軸制御切削技術の高速・高精度化による自動車用インペラの量産技術の開発」で「大河内記念生産賞」を受賞しました。
 
 大河内賞とは、故大河内正敏博士の功績を記念して、公益財団法人大河内記念会が、生産工学、生産技術、生産システムの研究並びに実施等に関するわが国の業績のうち、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な業績に対し表彰する国内でも最も伝統と権威のある賞のひとつです。過去の受賞企業は大手上場企業がほとんどであり、弊社のような非上場の中堅企業が受賞する例は珍しく、これまでに数件しかありません。尚、贈賞式は本年3月23日(金)に日本工業倶楽部会館で行われました。

 
 インペラ 贈賞式 
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【開発の背景】
 近年、自動車用エンジンは空気過給機(ターボチャージャ)によるダウンサイジングが進んでおり、小型高出力化と低燃費化を実現しています。この高性能過給機に使われる空気圧縮用羽根車(インペラ)には、超高速回転時の動的バランス・耐久性が極めて高いレベルで要求され、従来の「鋳造法」による製造では対応が難しくなってきた為、高精度インペラを製造する方法として「切削加工法」による削り出しインペラの量産化が各メーカーから強く求められていました。

【開発の特徴】
 本技術では、インペラ切削加工に特化した専用の小型トラニオン型同時5軸制御マシニングセンタを工作機械メーカーと共同で開発し、コンパクトな量産ラインをつくり上げました。また高性能工具の製作、加工シミュレーションソフトの自社開発、工具軸の最適化等を独自に考案するとともに、自動計測技術や自動バランス修正技術を開発し、セル化して加工ラインと統合することにより、従来は量産化が難しいとされていた高精度・高品位の削り出しインペラの多品種高効率生産を世界に先駆けて実現しました。

【開発の成果】
 本技術による弊社製削り出しインペラは、その優れた品質・納期で高く評価され、年間生産数450万個、世界シェア15%と、世界でも有数の地位を確立しています。

 今後もアイコクアルファは本技術の更なる改善を進め、小型同時5軸制御加工機の普及と新たな部品加工技術の拡大に貢献してまいります。


【ご参考:Webサイト】
 公益財団法人 大河内記念会  http://www.okochi.or.jp