冷間鍛造に掛ける情熱が、アイコクアルファの主力商品を生み出す。

CF事業部 伊藤克浩

昭和61年4月1日入団※(入社)。CF事業部、 取締役。
さまざまな金属素材を、金型を用いて成形する冷間鍛造。アイコクアルファはこの精密冷間鍛造を用いた自動車部品の開発と量産に特化している。多くの優良顧客を預かるこの事業部において若手人材の育成に努めている。

※入団:仲間として一緒にやっていく「チームの一員」になるという考えから、入社と言わず、あえて「入団」と呼んでいる。

一貫した社内生産システムが品質確かな商品を生む。

「初めて冷間鍛造を見たときは驚きました。こんな鉄の固まりが一瞬でモノになるんですから」。伊藤は入団2年目からこれまでCF事業部で冷間鍛造の開発に携わってきた。入団して26年が過ぎ、現在は若手を育てる立場として手腕を振るう。

他社では金型の設計・製作や、鍛造後の機械加工・熱処理などを外注する会社がほとんどだが、アイコクアルファでは冷間鍛造製品に関わる全ての工程を社内で行う。「各プロセスの担当者が一緒になって力を合わせることができるんです。近くにいるからコミュニケーションもとりやすい。社内一貫のシステムは精密冷間鍛造で強度・精度・品質に優れた商品を生み出すための絶対的必要条件です」。整った条件の中だからこそ、アイコクアルファならではの強みが生まれる。せっかくの鍛造精度を損なうような機械加工や熱処理の心配はここにはない。「他社でできないことがここではできる。私たちの誇りです」。

一担当員として開発を担っていた時は、たくさんの挫折も経験した。数えきれないほどの失敗があった。「金型は強度や精度が一番肝心。良いものを作るには2年くらいかかりました。なかなか思うように進まなかった時、金型を作る大先輩が“お前の設計するものを何でももってこい、俺が全部作ってやる”って言ってくださったんです」。一貫しているのは、生産システムのみならず、人を動かす“想い”も同じなのだ。

鍛造を愛することが成功への道。

伊藤は20代の頃、世界で初めて冷間鍛造でのステアリング用ピニオンシャフトのヘリカルギヤ成形に成功。特許を取得した経歴を持つ。「大先輩である中根永久技師のように寝ても覚めても、とまではいきませんが、やはり情熱がありました」。時間を忘れて開発に没頭する。思いついたらテストをしてみる。「土日でも夜中でも関係ありませんでした。いち早く結果を知りたくて仕方なかったんです」。“やりたい”を実現できる会社。だからこそ「これだ」というものが見つかれば必然的にモチベーションが上がる。「若い人たちにも鍛造という仕事を愛して欲しい。それが成功への道ですよ」。

今、CF事業部では一つの目標を掲げている。全て10万個以上打てる金型にしてしまうというものだ。「4つの事業部の主力であり続けるために、さらに高いレベルの鍛造技術を作り上げたい。そのためにも上司と部下ではなく、仲間という意識で伸び伸びと働ける環境を作りたいですね」。

アイコクアルファの確かな技術の背景には、主従関係をこえた“絆”がある。