団結のシンボルであるアカシヤの木

昭和30年頃のアイコクアルファは、現在の森上工場跡地にしか工場がありませんでしたが、敷地の中には六つの部屋の男子寮がありました。そして、この男子寮と工場建物との間にはアカシヤの並木が以前よりあり、当時から会社の木として親しまれておりましたが、それを決定的にしたでき事が昭和34年にありました。
それは、昭和34年の秋に伊勢湾台風があり、夜中になってから台風はその激しさを増しました。そのため、工場の屋根瓦は飛び、窓は壊れそうになると共に、アカシヤの木も倒れかけました。
そんな状況の中、男子寮に居た誰からとなく、「工場を守らなければ!」また「アカシヤを倒すな!」と、夫々が頭の上に座布団を縛り付けて外へ飛び出して行きました。二十数人の寮生は誰の指示を受けた訳でもなく、全員が力を合せて工場とアカシヤの木を守り抜きました。
そのお陰で翌朝から生産が再開でき、納期通りに部品を納める事ができましたが、お客様からは「こんな状況の中で納品をしてくれたのはアイコクさんだけだよ」と言っていただけ、大変大きな信頼に結び付きました。即ち、アカシヤの木を守った皆の力が会社の大きな信頼を作ることになったのです。
- アカシヤの木の呼び名について
- 私たちが「アカシヤ」と言っている樹は、植物図鑑などによれば、「ハリエンジュ」(別名ニセアカシア)と言う樹だそうであり、本当のアカシアは一般的に「ミモザ」と言う樹だそうですが、我が社では昭和33年に制定され、現在でも歌い続けている“アカシヤ会の歌”の中で「アカシヤ」と呼んで親しんで来ましたので、あえてアカシアではなく、「アカシヤ」と呼んで、これからも大切に守り続けて行きたいと思います。